セネカ 生の短さについて
今日は好きな本「生の短さについて:セネカ」について書き出してみる。
一般的には哲学書と呼ばれる本。
哲学的な本は3年前くらいに一時期ハマって呼んでいたが、この本が何故か初めて読んだ哲学本であり、一番好きな本。
単純にタイトルに惹かれて、時間を有効活用したいという思いから手に取ったもの。
読んでみた感想としては
「昔も今も変わらず、この人が言っていることは間違いないな~、」
「時代は変われど、単純であるけど、人間って本質的には変わらないんだな~」
ってことを思った一冊。
また「定期的に読み直して、自分の生き方のベースに固めていきたい」と思っている考え方が書いてある本でもある。
ざっと考え方を記載。
「生」は私たちによって浪費/蕩尽してしまっている。
- 実は時間を有効活用出来ている人は少なく、人は皆「生は非常に短い。」と口にする。
あのアリストテレスでさえ、「多くの偉業を成すべく生まれついた人間に定められた寿命はあまりにも短い」という言葉を残している。
しかしながらそれって、「時間が早く流れていっているのではなく、実は思った以上に自分たちで時間を無意識に浪費してしまっている。」という事をあらためて認識させられる
- 根本的なセネカの考えは、
「人間の生は全体を立派に活用すれば、十分に長く、偉大なことを完遂できるように潤沢に与えられている。我々の享ける生が短いのではなく、我々自身が生を短くするのであり、生に欠乏しているのではなく、生を蕩尽してしまっているのだ。」
という事。
ではどうすればよい?
- 「超越した偉人の特性は、自分の時間が寸刻たりとも掠め取られるのを許さない。
どれほど短かろうと事由になる時間を自分のためにのみ使う。だからこそ、彼らの生は誰よりも長いのだ。」
- 「これから人生を航海に例えるなら遠くまで行くことを意識しろ。
港から出た途端、嵐に遭い、あちこち翻弄された挙句、吹きすさぶ風が四方八方から代る代る吹き付けて、円を描くように同じところをぐるぐる弄ばれ続けたものが長い航海をしたなどと考えられようか。
むろん彼は長い間後悔したのではなく、長い間翻弄されたに過ぎない。」
このようにして人生を航海に例えるとわかりやすいが、自分の人生を主体的に捉え、時間を有効に使っていかなければならない。また時間への執着、時間は財産であるという事をあらためて深く認識すべきである。
- 「生は粛々と流れていくものだ。出発点となったその日から走り出し、そのまま駆け抜けていく。どこかで回り道をする。道草を食う事もない。君は何かに忙殺されている一方で、そのように生は駆け行く。」
「人は生の犠牲の上に、生を築こうとする。この先延ばしこそ生の最大の浪費になる。先延ばしは先々を約束することで次の日が狂毎にその一日を奪い去り、今という時も奪い去る。これは最大の障害であり、明日という時に依存し、今日という時を無にする。だからこそただちに生きろ。」
「幸薄き人の一期、最良の日々の真っ先に失せ果つれば。なぜぐずぐずしている。なぜじっとしている。汝が生を掴まなければ、生は逃げ去るのだ。」
このようにして生は駆け行くのだから、自分たちも生のように、まっしぐらに生きるべきなのだ。
また掛け行く「今」という時を見つめ直し、生を尽くすのではなく、生に尽くすのだ。
ざっくりと結論
- 生を浪費/蕩尽しないためにも、自分たちは生という航海の中で遠くに行くことをしっかりと意識するのが非常に大事だという事。
- 最終的には人類に貢献できるだけの、功績を築き上げるために、
しっかりとした自分の行きたい方角、行く先を見据え、
今という時間がその方向に向かっているのか?
またまっしぐらに生きているのか?
短く貴重な生を、無駄に浪費/蕩尽していないか?を意識していく事が大事。
- 社会人になれば、関わる人も、やらなきゃいけない仕事も増えてくる。
忙殺されては単に生を浪費する。という行為に陥りかねない。
自分がしたい事をして生きているのか?はたして自分はこのままでもいいのか?
などと展開していき、自分を見つめ直すのに有効な働きかけをしてくれる。そんな本である。
以上。
まずは今日という日をまっしぐらに生きよう!!